大連鍛造後熱処理プロセス:焼なまし・焼ならしが鍛造品特性に及ぼす影響
* : * : admin * : 2025-09-28 10:43:42 * : 2
大連鍛造後熱処理プロセス:焼なまし・焼ならしが鍛造品特性に及ぼす影響
鍛造加工後の鍛造品には、内部残留応力や組織不均一が生じやすい。その特性を最適化し、後続の加工や実使用に必要な基礎を作るため、焼なましまたは焼ならし処理が不可欠となる。両プロセスはいずれも加熱、保温、冷却の核心ステップで構成されるが、パラメータ制御には大きな違いがあり、鍛造品特性への影響もそれぞれ特徴を持つ。
焼なましプロセスは「低温徐冷」を特徴とする。通常、鍛造品は Ac3 点(亜共析鋼の場合)または Ac1 点(過共析鋼の場合)より 20~30℃高い温度まで加熱され、一定時間保温した後、炉と共にゆっくり冷却される。このプロセスにより、鍛造品内部の残留応力を効果的に除去できる —— 徐冷過程で原子がゆっくり拡散し、応力が段階的に開放されるため、後続加工時の変形や割れを防ぐことができる。同時に、焼なましは結晶粒を微細化し、鍛造時の高温で形成された粗大な結晶粒を均一で微細な組織に変換する。これにより鍛造品の硬度が低下し(例:45 番鋼の焼なまし後硬度は約 180~220HB)、延性と靭性が向上して切削加工が容易になる。さらに、過共析鋼を球状化焼なましすると、網目状セメンタイトを球状セメンタイトに変換でき、材料の切削性と後続の焼入れ品質を改善するため、高炭素工具鋼鍛造品の前処理プロセスとして適している。

焼ならしプロセスは対照的に「高温速冷」を重視する。加熱温度は焼なましと近似するが、保温後は大気中で冷却され(冷却速度は焼なましより速い)。比較的速い冷却速度により結晶粒の成長が抑制され、鍛造品はより微細なパーライト組織を得る。その硬度は焼なまし品よりやや高く(例:45 番鋼の焼ならし後硬度は約 200~250HB)、強度と耐摩耗性が向上すると同時に、一定の靭性も保持される。焼ならしは鍛造品の組織を均一化できるため、中炭素鋼・低炭素鋼の鍛造品に特に適している。鍛造後の組織偏析を除去し、後続の焼入れ・焼戻しプロセスのために均一な母材組織を提供する。さらに、高荷重を受けない構造部品の場合、焼ならしを最終熱処理プロセスとして使用することで、実使用に必要な強度要件を直接満たし、生産工程を簡略化することも可能である。
プロセスの選択は鍛造品の材料と使用要件に基づく必要がある:硬度を下げて加工を容易にしたり、応力を除去したりする場合は焼なましが優先され;強度を向上させたり、組織を均一化したり、中炭素鋼・低炭素鋼の最終熱処理として使用したりする場合は焼ならしがより適している。この二つのプロセスを合理的に活用することで、鍛造材料の特性を最大限に引き出し、製品の信頼性を保証できる。